Hiroki Tohya
明治維新史
知的財産の国際政治経済学
国際政治経済学の理論と分析
授業概要
(1) 遠矢ゼミは国際政治経済学の理論や概念を学ぶゼミです。それらを習得し、自分自身で様々な国際問題を理解し分析する能力を身につけることを目標としています。当ゼミでは、「国際政治経済学」の意味を広く捉え、国際政治学、国際経済学、国際社会学なども範囲に含めています。
(2) とりあげる理論や概念は、例えば、プロダクト・サイクル論、国際的相互依存論、統合論、ソフト・パワー、構造的権力、覇権安定論、比較優位説、不等価交換、ECLA構造主義、従属論、世界システム論、ドルの「法外な特権」、流動性のジレンマ、国際金融のトリレンマ、文化的多様性、グローバル公共財、ロゴウスキーの逆第二イメージ論などです(順不同)。これらの多くは講義科目「国際政治経済学」でも対象としています。
(3) 春学期・秋学期とも、事前学習を前提とした、いわゆる「反転授業」の形式で行います(詳細は下記「授業の実施方法」(A)の通りです)。教員が何かを「教える」というゼミではなく、ゼミ生自身が「リサーチして」「考えて」「議論する」ことに重点を置いています。
(4) 夏休みにはゼミ合宿を行います(詳細は下記「授業の実施方法」(B)の通りです)。
(5) 4年生には上記(3)の3年生ゼミに原則参加してもらいます(3年・4年合同でゼミを行います)。グループディスカッションにおいて3年生をリードするチューター的な役割が期待されています。プレゼン、コメントペーパーの提出なども(ほぼ)3年同様に課されます。
これと並行して、4年生には卒論制作を奨励していますが、卒論は必須ではありません。卒論指導は原則個別に行います(詳細は下記「授業の実施方法」(C)の通りです)。4年だけのゼミは実施しません(卒論指導などに4年ゼミの時間帯を使うことはあります)。
(6) プレ演習(2年の冬クォーター)も上記(3)のゼミで合同で行います(課題等の負担は3・4年生より軽めです)。数回実施します。
授業の実施方法
(A) 春学期・秋学期の通常ゼミの実施方法
【事前学習】
・事前に、指定されたコンテンツ(春学期は講義科目「国際政治経済学」のオンデマンド動画、秋学期は専門書からの数章)を学習し、与えられた課題(理論を当てはめて具体的事例を解釈するなど)について各自でリサーチを行い、コメント・ペーパー(A4で1~2枚程度)を作成・提出してもらいます。 ※コンテンツの視聴やテキストの輪読自体は学習目的ではありません。
・動画や課題はゼミのDiscordで事前に提示・共有されます。コメント・ペーパーもDiscordに提出してもらいます(全員で共有します)。なお、ゼミの日常的な連絡、情報交換、ファイル共有等はDiscordで行っています(LINEグループも併用しています)。
・実際に出された課題のサンプルはこちら(PDF)。
・事前に視聴する動画のサンプルはこちら:「構造的権力 (24分)」「世界システム論 (28分)」。
・秋学期のコンテンツ(専門書からの数章)については未定ですが、G・ジョン・アイケンベリー『リベラルな秩序か帝国か』は候補の一つです。
【ゼミ当日(反転授業)】
・教室で原則「対面」で行いますが、同時に全員がZoomを使用します。海外(留学中)や自宅・外出先からも(正当な理由があり事前に認められた場合は)「出席」できます。
・予め決められた報告者(2人)が、当日のテーマとなっている理論・概念について、事前に学習したコンテンツとは異なる内容や視点でプレゼンを行います(つまり、事前学習したコンテンツを要約することがプレゼンではありません)。 プレゼン資料はZoomで画面共有し(ハードコピーの配布は不要)、ゼミ後にDiscordにアップロードしてもらいます(全員で共有します)。
・事前に提示された課題やプレゼンで挙げられた論点等について、数人づつのグループ・ディスカッションを行い、深く掘り下げます(班分けは当日、発表されます)。各グループでは司会、書記、総括報告者を決めてもらいます。ゼミの時間の大半はグループ・ディスカッションに費やされます。オンライン参加者(教室外)は、教員(遠矢)とZoomでディスカッションします。
・グループ・ディスカッション終了後、総括報告者が全体セッションで概要を報告し、各班の内容を全員で共有します。総括報告に続けて、適宜、教員(遠矢)からの解説や全体でのディスカッションを行います。
・下の動画でグループ・ディスカッションの様子を確認できます(音声が出ます。1分32秒)。
・グループ・ディスカッション以外のすべてのセッションはZoomで録画されます。グループ・ディスカッションの内容については、班ごとに議事録を作成してもらいます。
【事後の作業・学習】
・ゼミの録画は直後にYouTubeで限定公開され、DiscordでURLが共有されます。欠席者は録画を視聴してキャッチアップしておくことが求められます。出席者も理解を定着させる復習のために利用できます。各班の議事録もDiscordにアップロードしてもらいます(全員で共有します)。
(B) ゼミ合宿(夏休み)
・春学期に行ったゼミで蓄積されたアーカイブ(コメント・ペーパー、録画、議事録)をもとに、ゼミで取り上げた各理論・各概念の論点の整理を行います。参加者を3つのグループにわけ、各グループにいずれかの理論・概念を割り振ります。この作業を(メンバーを入れ替えて)3セッション行います。まとめた内容をもとに、「論点」を解説する短い動画を班ごとに撮影してもらいます。「ワークショップ」型のゼミです。
・スケジュールはおよそ次の通りです。※施設の都合等により、年度により若干異なる場合があります。
[1日目]
・早稲田集合。貸切バスで宿泊地へ(セミナーハウス等)。
・到着後、夕食までゼミ2時間。
・夕食後、ゼミ2時間。
・懇親会
[2日目]
・午前中、ゼミ2時間。
・午後、レクリエーション(スポーツなど)。
・夕食後、打ち上げ懇親会。可能なら花火。
[3日目]
・ミーティング後、午前中に、貸切バスで宿を出発。
・開催地によっては、帰りに観光の可能性もあり。
・コロナの影響でしばらくゼミ合宿は行っていませんでしたが、2023年度より再開します。近年の事例が無いため古いサンプルになりますが、合宿の雰囲気はこんな感じ(画像を貼ったPDF)です。※2023年度ゼミ合宿の写真はこちらです(2023-09-01追記)。
(C) 卒論
・遠矢ゼミでは卒論制作を推奨していますが、必須ではありません。ゼミの成績評価は卒論の有無とはリンクしていません。ゼミはゼミのパフォーマンスだけで評価し、卒論の成績評価は「演習論文」の単位の中で行います。
・4年生には、卒論制作に関する約1時間のレクチャーの録画(こちら)をまず視聴してもらい、卒論を制作するかどうかを決めてもらいます。
・卒論指導は、原則、個別コンサルという形となります。対面やZoomやメールなどで、マンツーマンで、卒論のテーマ決定の相談から、リサーチ途中の相談、ドラフトへのコメントなどを、リクエストに応じて行います。ただし、必要に応じて、卒論制作予定者を集めたレクチャー等を4年ゼミの時間帯に開催する場合もあります。
・卒論のテーマは、(上記レクチャー動画で説明してあるような)卒論制作の原則・手法を踏まえていれば、自由です。国際関係の要素があるテーマであることが望ましいですが、自分が本気で取り組みたい・解明したいテーマであれば、国際関係の要素が無くても構いません。逆に、単位の数合わせのためだけに卒論を書くことは認めていません。
(D) 成績評価
・成績評価は次の手順で行います。
①デフォルトの評価はAです。マイナス査定、プラス査定を順に行い、プラマイ0か、ちょっぴりプラス程度なら評価はAのままとします。トータルでマイナスならB、トータルで大きくプラスならAプラスとします。
②マイナス査定(その1)。欠席は2回まで不問に付します。3回以上の欠席は回数に応じて減点します。無断欠席は倍の減点となります。
③マイナス査定(その2)。コメントペーパー提出回数が定められた回数に満たない場合は、減点します。
④マイナス査定(その3)。重大なミス等(プレゼンし忘れなど)は減点します。
⑤プラス査定(その1)。プレゼンは、(a)教員(遠矢)が授業で利用したくなりそうなほど興味深い内容である、(b)上記(a)には及ばないがよくリサーチしてある、(c)上記(b)に及ばない、の3ランクで評価し、(a)は加点します。(b)は総合判断の際にボーダーライン上であれば加点要素とします。なお、(c)であってもマイナス査定には使用しません。
⑥プラス査定(その2)。コメントペーパーは、「よくリサーチし」かつ「よく考えている」かを評価指標とし、(a)非常に努力している、(b)普通、(c)努力不足、の3ランクに評価したうえで、トータルで(a)の評価のペーパーを多く書いた者に加点します。トータルで(b)が多かった者でも、定められた回数より多く提出した者は、総合判断の際にボーダーライン上であれば加点要素とします。(c)が多い者は原則不問に付しますが、程度によってマイナス査定にする可能性があります(なんでもいいから出せばいい、では困るので)。
⑦プラス査定(その3)。グループ・ディスカッションの相互評価で評価の高かった上位者(3年と4年で各数名づつ)は加点します。この項目のみ、3年と4年はわけて評価します(3年は4年に物を言いにくいだろうから)。※学期末に全員に相互評価票を提出してもらいます。
⑧グループ・ディスカッションで司会・書記・総括報告者をやった回数を合計し、総回数が非常に多い者は、総合判断の際にボーダーライン上であれば加点要素とします。
⑨ゼミの欠席ゼロだった者は、総合判断の際にボーダーライン上であれば加点要素とします。
※以上のように、遠矢ゼミは「対面授業」と「オンライン授業」の双方の利点をミックスさせながら、アクティブ・ラーニングを実現しています。
※授業開始前の様子(クリックで拡大します)。以下の画像は学生の了解を得て掲載しています。
※グループ・ディスカッション中の様子(クリックで拡大します)
ゼミ選考
よくある質問はこちら(ゼミ内容、指導教員、選考、その他)→
・選考(合否の決定)は、面接、エントリーシート(志望理由、研究計画、自己紹介)、成績表を総合的に評価して行います。
・ゼミ内における多様性の創出のため、政治・経済・国際政経の3学科のバランスや、ジェンダー(男女)バランスを考慮するとともに、学生の特異な関心・才能・実践(ジャンル不問)を歓迎します。
・政治や経済や国際関係に強い興味がある学生を歓迎するのは勿論ですが、政治にも経済にも国際関係にも関心がないけれど「◆◆」には傑出した才能・知識・経験等を持っているというエキスパート、スーパー・オタクも大歓迎です。※「◆◆」は、歴史、哲学、美術、音楽、文学、法律、ビジネスなどなど。
・成績(GPA)は判断材料の一つですが、足切りに用いることはありません。
・「基礎演習」などで教員(遠矢)と顔見知りの学生が選考で有利になることはありません。扱いは他の志願者とまったく平等です。むしろ、「基礎演習」のパフォーマンスが記憶にあるので、ごまかしはきかないとご理解ください。
・復学者選考を定員(15名)とは別枠で実施します。
課題レポート
第1回選考では課題レポートを課しません。
第2回以降の選考がある場合に課題レポートを課すか否かは未定です。
(昨年は第1回選考で定員に達したため第2回以降の選考はありませんでした。)
※2023-09-19追記:第1回選考で定員に達したため第2回選考は行いません。
申込用紙の記載
面 接
「専門演習申込用紙」の「研究計画」欄には、タテマエや思いつきで国際政治や国際経済の問題をとりあげて、「でっち上げる」のではなく、これまで自分自身が本当に強い関心を寄せて探求してきたテーマでまとめてください。必ずしも「国際」的なテーマでなくても構いません。
申込用紙に記載されたメールアドレスに面接の詳細等を連絡するので、常時チェックできるメールアドレスを記載してください。また、応募後は定期的にメールを確認してください。
2023年9月15日(金)にZoomで面接を行う予定です(数分程度)。
面接実施日等の詳細は学部事務所からの正式な告知を確認してください。
選考面接は1日ですべて行います。例年、(夏季休暇中ということもあり)指定日以外の面接実施を要望してくる学生がいますが、応じられません。
都合により、実施方法、日時等が変更になる可能性もあるので、随時、このページを確認してください。
応募者への連絡
【重要】 9月13日に、以下のメールを、申請者全員に送信しました。申請者はメールを確認のうえ、対応をお願いします。メールが届いていない場合は、至急ご連絡ください(遠矢のメールアドレスは事務所にご確認ください)。
こんにちは。遠矢ゼミへの応募ありがとうございます。
ゼミ選考面接(Zoomで実施)の日時、その他重要事項についての連絡です。注意深く読んで、面接当日は間違いのないようにお願いいたします。面接日時についての案内は一番最後にあります。
(1)応募者数が定員の倍を越えてしまったため、面接時間は「最大で4分程度」とさせていただきます。予定が詰まっているので指定された時間に遅れないようにお願いいたします。
(2)面接はZoomによって一人ひとり行います(グループ面接ではありません)。Zoomを使える環境を整えておいてください。
(3)面接は1時間あたり10名のペースで行います(10名毎に同じZoomリンクを使います)。最下部に記載したZoomリンクに、指定された時間にアクセスして、入室を承認されるまでお待ちください。前の面接が終わり次第、順次、入室してもらいます。したがって、最大で1時間の待ち時間がありますが、辛抱強くお待ちください(なかなか承認されないと不安になるかと思いますが、焦らずに待機してください)。なお、こちら(遠矢)から見ると、複数の学生が同時に承認を待っている状態となりますので、Zoom上の名前は個人名をフルネームで表示してください(過去に名前が「かつ丼」という人がいて迷惑しました)。
(4)面接にスーツ等の着用は不要です。普段の格好で臨んでください。
(5)面接の性格上、「顔出し」でお願いいたします。また、学生証をあらかじめ用意しておいてください。面接開始時に、学生証を画面で見せてください。なお、「顔出し」ができない特別な事情がある場合はご連絡ください。
(6)面接はすべて「録画」させていただきます(後で繰り返し視聴して選考するため)。録画した面接動画は選考のためにだけ使用し、選考後は、合格者・不合格者すべての動画を削除します。面接開始時に録画の諾否は確認しません。「録画」は不可という方は事前にご連絡ください。
(7)面接時に合否を伝えることはありません(合否は全員の面接を終えてから、出願書類、成績表等とあわせて総合的に判断して決定します)。
(8)合格・不合格の連絡は私からはしません。事務所からの連絡となります。私への合否の問い合わせや、合否結果に対するクレームなどはご遠慮ください。問い合わせは事務所へお願いいたします。
(9)合格者に対しては、秋期授業開始の頃に、今後のスケジュール等についてメールで通知します。メールは今回と同じメールアドレスに送信します。随時メールを確認してください。
(10)面接について変更その他のお知らせを通知する可能性があるので、面接当日までメールは随時確認してください。また、同様の理由で私の個人サイトのゼミ選考に関するページを随時確認してください。
(11)面接当日、特に面接時間中に、何等かのトラブルでZoomが利用できない等の緊急事態となった時は、私の携帯×××××××××××に電話してください(ただし、すぐには出れない場合があります)。
(12)添付した「面接用アンケート」に回答して、このメールに返信する形で添付送信してください。同アンケートは面接時の話題探しに利用します。アンケートには必ず回答してください(すべての設問に答える必要はありません)。
(13)このメールに必ず「返信」してください。メッセージは空欄でも構いません。その「返信」をもって本メールの受信確認とします。なお、メッセージはなくても「氏名」は必ず本文中に明記してください。毎年、氏名が明記されておらず誰が返信したのかわからないメールが来て困ります。
(14)ゼミ選考は、教員側から見れば、さまざまな要素やバランス等を考慮しながら、一つのコミュニティを作る作業となります。異なるpieceを集めて大きなパズルを組み立てるような作業です。ですから、たとえ不合格になったとしても、それは「あなたに問題があったから。出来が悪かったから」というわけではありません。もし不合格となっても、今回はたまたまpieceとして収まる場所を私が見つけられなかっただけです。気落ちせずに、次のステップに進んでください。あなたを必要とするゼミがあるはずです。
【Zoom面接の日時等】
日時:9月15日(金)■時■分~■時■分
(Zoomのログイン情報 略)
・時間を厳守してください。スケジュールが詰まっているので遅刻者には対応しません。
・面接欠席の場合は自動的に不合格となります。
・順番は学籍番号順です(ただし復学者選考は最後に回しています)。面接の順番に特別な意味はありません。
何か不明の点がありましたらお尋ねください。
それでは面接当日、よろしくお願いします。
遠矢浩規